2021年のHACCP完全義務化以降、食品工場の衛生基準はますます厳格化しています。
「これまでの床ではHACCPの基準を満たせないのではないか?」
「改装したいが、具体的にどんな性能を持つ床材を選べばいいのかわからない」
そうお悩みの担当者様も多いはずです。HACCPの土台となる「一般的衛生管理プログラム(PRP)」において、床は最も汚染リスクが高い場所の一つです。単にきれいにするだけでなく、熱や薬品に耐え、菌の温床とならない「高機能な床」への転換が求められています。
この記事では、HACCP対応の塗床工事において必須となる「3つの機能的条件」と、失敗しない材料選びのポイントについて、専門的な視点から解説します。
【目次】
■HACCPが求める「汚染されない床」の正体。必須となる3つの機能
■古い床を蘇らせる!プロが見るべき「下地処理」と「改修の壁」
■「安さ」で選ぶと損をする?HACCP対応床のコストパフォーマンス
■食品工場の床を知り尽くした「株式会社AIM」の現場力
■機能的な床で、HACCP運用の負担を減らしましょう
■HACCPが求める「汚染されない床」の正体。必須となる3つの機能

HACCPの基本は「危害要因の分析と管理」ですが、そもそも床がボロボロでは管理のしようがありません。食品工場における「HACCP対応の床」とは、以下の3つの過酷な条件をクリアできる床のことを指します。
・【耐熱衝撃性】熱湯洗浄でも剥がれない!「水性硬質ウレタン」の実力
食品工場では、油汚れを落とすために高温の熱湯を床に流すことが日常的です。しかし、一般的なエポキシ樹脂などの床材は熱に弱く、60℃以上の熱湯がかかると樹脂が軟化・膨張し、冷えた時に収縮することで「剥がれ」が生じます。
HACCP対応として現在主流なのが「水性硬質ウレタン系」の塗床材です。この素材はコンクリートと近い熱膨張係数を持っており、120℃近い熱湯がかかっても剥離しません。釜場やフライヤー周りなど、熱負荷がかかるエリアには必須のスペックです。
・【耐薬品性】強力な殺菌剤や食品酸からコンクリートを守る防御壁
衛生管理のために使用する次亜塩素酸ナトリウムやアルコール、あるいは食材に含まれる酢酸や乳酸などの「酸・アルカリ」。これらはコンクリートを化学的に侵食し、砂利が露出するまで溶かしてしまいます。
これを防ぐには、使用する薬品の種類と濃度に耐えうる「耐薬品性」の高い樹脂を選ぶ必要があります。ビニルエステル樹脂や高耐食性ライニングなど、現場の洗浄マニュアル(使用薬剤)と照らし合わせて最適なグレードを選定することが、床の寿命を決定づけます。
・【抗菌・防カビ】床材そのものが菌の増殖を抑制するメカニズム
湿潤環境になりがちな食品工場では、床材の微細なピンホール(気泡)がカビやバクテリアの住処になります。
HACCP対応の塗床材には、銀イオンなどの抗菌剤が配合されており、表面に付着した菌の増殖を抑える機能を持つものがあります。また、表面を緻密に仕上げることで汚れが染み込まない「不浸透性」を持たせることも、微生物汚染を防ぐための重要な要件です。
■古い床を蘇らせる!プロが見るべき「下地処理」と「改修の壁」

新築とは異なり、稼働している工場の床改修には特有の難しさがあります。いくら高性能な材料を使っても、施工プロセスを間違えれば台無しです。
・油まみれのコンクリートでも密着させる「特殊プライマー」技術
長年使用した床は、揚げ油や食材のエキスがコンクリートの深くまで染み込んでいます。通常、油分を含んだ下地にはどんな塗料も密着しません。
そこで重要になるのが、油分があっても強力に接着する「油面用プライマー」の使用や、油分を含んだ層を物理的に削り取る「切削処理」です。この下地処理をどれだけ丁寧に行えるかが、施工店の腕の見せ所であり、工事後の耐久性を左右します。
・工場の稼働を止めない!「超速乾」や「低臭気」工法の活用
「工事のために何日もラインを止めるわけにはいかない」というのが現場の本音でしょう。
改修工事では、硬化時間が極めて短い「MMA樹脂(数時間で硬化)」や、食品への臭い移りを防ぐ「低臭気タイプ」の材料を選定することが可能です。
金曜日の操業終了後に施工を開始し、月曜日の朝には通常通り稼働する。こうしたタイトなスケジュールにも対応できる工法を選ぶことが、HACCP対応への近道です。
・排水マスの段差解消など、細部のおさまりが寿命を決める
床全体を新しくしても、排水溝(グレーチング)との取り合い部分に段差が残っていると、そこに台車のキャスターが衝突し、そこから再び割れていきます。
改修時には、排水マス周辺の高さを調整し、スムーズな水勾配と段差のないフラットな仕上がりを作ることが、床を長持ちさせる秘訣です。
■「安さ」で選ぶと損をする?HACCP対応床のコストパフォーマンス
HACCP対応の高機能な塗床材は、一般的な防塵塗装に比べて初期費用(イニシャルコスト)が高くなる傾向があります。しかし、長期的な視点で見れば、決して高い投資ではありません。
・初期費用だけでなく「耐用年数」で考える重要性
安い材料で工事をした結果、半年で剥がれてしまい、毎年補修工事を繰り返している工場は少なくありません。そのたびに補修費用がかかり、生産ラインを止める損失も発生します。
一方、使用環境に適した高耐久な塗床材を選べば、数年から10年以上メンテナンスフリーで使い続けることも可能です。1年あたりのコストで換算すれば、高機能な床の方が圧倒的に安上がりになるケースがほとんどです。
・剥がれては直す…の繰り返しを防ぐことが、結果的に最大のコストダウン
床の補修工事は、単なる費用の問題だけでなく、担当者様の手間やストレス、現場の混乱など、目に見えないコストも発生させます。
「一度しっかり直して、長く安心して使う」。この方針に切り替えることが、経営的にも衛生管理的にも正解と言えます。
・食品工場専門業者ならではの「無駄のない」材料選定
高ければ良いというわけでもありません。例えば、熱湯を使わないエリアに高価な耐熱床材を使うのはオーバースペック(無駄遣い)です。
エリアごとの負荷を見極め、必要な場所に必要なスペックの材料を使い分けることで、全体のコストを最適化できます。これができるのは、食品工場の現場を熟知している専門業者だけです。
■食品工場の床を知り尽くした「株式会社AIM」の現場力
HACCP対応の床改修をご検討なら、埼玉県所沢市を拠点とする株式会社AIM(エイム)にお任せください。私たちは食品工場や厨房の塗床工事に特化し、数多くの現場の悩みを解決してきました。
・資格ではなく「経験」で語る。数多の食品工場を見てきた実績
私たちには、机上の空論ではない、現場で培った生きたノウハウがあります。「この洗浄剤を使うなら、この樹脂でないと溶ける」「この気温なら、硬化剤の比率を変えないといけない」といった判断は、教科書には載っていません。
食品工場特有の厳しい環境を理解しているからこそ、失敗のない、確実に長持ちする床をご提供できます。
・下請け任せにしない!自社管理による徹底した品質担保
株式会社AIMは、お客様との打ち合わせから施工管理まで、責任を持って対応いたします。丸投げによる伝達ミスや、中間マージンによるコスト増を抑え、適正価格で高品質な工事を実現します。
所沢市を拠点に、フットワーク軽く対応いたしますので、急なトラブルや部分補修のご相談もお任せください。
・現地調査で「最適な樹脂」を選定します
「今の床がなぜ剥がれたのか」その原因を特定することから私たちの仕事は始まります。現地調査では、使用薬品や温度条件、清掃方法などを詳細にヒアリングし、貴社の工場にベストマッチする塗床材を選定・ご提案します。
詳しい事業内容や施工への想いは、下記ページでご紹介しています。
https://www.aim-inc.biz/about_us
■機能的な床で、HACCP運用の負担を減らしましょう
HACCPの運用は、日々の記録や管理など、ただでさえ手間がかかるものです。せめて床掃除やメンテナンスの負担だけでも減らしたいと思いませんか?
基準を満たした機能的な床は、清掃時間を短縮し、異物混入のリスクを下げ、従業員様の作業効率を向上させます。
株式会社AIMが、貴社のHACCP対応を「足元」から力強くサポートいたします。
現地調査・お見積もりは無料です。まずはお気軽にご相談ください。

